2007年04月30日

生き残る投資にはケリー基準が有効

GWは暇なので、ちょっと長文ですが生き残る投資家になるのに重要なケリー基準について書いてみましょう。

ケリー基準とはどういうものかというと、所持金に対して賭け金をいくらにするのがよいかの基準です。
これだけだとよくわからないと思うので具体例でみてみましょう。
今ここに、表が出る確率が56%、裏が出る確率が44%のコインがあったとして、表と裏のどちらが出るかを賭けるとしましょう。
予想が当たれば賭け金は倍になり、外れれば賭け金は全額取られるということにします。

この賭けを表が出る方に1回100万円ずつ賭けて100回やった場合、平均的には56回200万円もらえて44回は0になるので、1回当たりは、
(56×200 + 0) ÷ 100 = 112万円
になりますね。これを賭け金で割れば1円あたりの期待値が出て、
112÷100 = 1.12
になります。
1円あたりの期待値が1以上になる賭けは賭ける方に有利なので、この賭けにはなるべくたくさんのお金を賭けたいですよね。

では、あなたが種金を100万円持っていたとしてこの賭けにいくら賭けたらよいでしょうか?
(賭ける回数はお金がある限りは無限に続けられるが、賭けるお金が無くなったらそこで終了という条件です。)

有利な賭けなのだからなるべくたくさん賭けようということで、毎回表に全額賭けた場合を考えて見ましょう。
例えば、毎回全額で4回賭けたとすると、4回連続で勝てる確率は、
0.56×0.56×0.56×0.56 ≒ 0.0983
お金は、
100×2×2×2×2 = 1600万円
となるので、10人に1人が100万円を1600万円にできましたが、残りの9人は有利な賭けにもかかわらず100万円が0になって退場になってしまいました
1円あたりの期待値が1以上になる賭けは賭ける方に有利なので、退場せずに賭け続けることができれば利益は無限に増えるので、退場してしまってはもったいないですね。
このコインの例だと所持金が1回の負けで全部無くなるような賭け方をするわけないじゃんと思うかもしれませんが、先物やオプションやFXのようなハイレバレッジ可能な投資では気を付けていないといつのまにかそのぐらいのオーバートレードになってしまっていることはよくあります。
それでは、退場しないように所持金の一定割合を賭けるように賭け方を変えてみましょう。
これなら、負けると賭け金が減少するので所持金が0になって退場することは無く、勝つと賭け金が増えるので複利効果が効いて長期的には急速に所持金を増やすことができます。

でも今度は、一回の賭けにどれだけの割合を賭けると効率的なのか分からないという問題が出てきますね。
例えば、一回に所持金の99%を賭けることにすると1回でも負けると所持金が大幅に減ってしまって回復するまで時間がかかりそうです。
逆に、一回に所持金の1%しか賭けないようにすると安全ですがなかなか増えません。
それでは、一回の賭け金は所持金に対してどの程度の割合で賭けたらよいのでしょうか?

そこで出てくるのがケリー基準です。
天才数学者はこう賭ける―誰も語らなかった株とギャンブルの話によれば、長期的にはケリー基準に従った割合で賭けるのが最も早く所持金を増やすことができるそうです。(数学的な証明は見てませんが、まともな本なので正しいはず。)

ケリー基準によれば賭け金は
所持金×(1円あたりの期待値 − 1)÷(倍率 − 1)
にするのが最適ということになります。(天才数学者はこう賭ける―誰も語らなかった株とギャンブルの話では、"エッジ"と"オッズ"という言葉を使っていましたが、分かり難かったので"1円あたりの期待値"と"倍率"で式を書き直しました。)
所持金は毎回の賭けの勝ち負けを加えるので毎回変動します。
上の例では、1円あたりの期待値は1.12、当たったときの倍率は2倍なので、
所持金×(1.12 − 1)÷(2 − 1) = 所持金×0.12
となり、所持金の12%を毎回賭けるのが最適ということになります。
例えば、1回目は100万円の12%なので12万円賭けて、勝った場合は112万円の12%の13万4400円を、負けた場合は88万円の12%の10万5600円を次の回に賭けることになります。

それから、ケリー基準を実際の投資で利用するときには、
・ケリー基準は最も効率が良いが、ドローダウンが結構大きくなることがある。
・経験から算出した1円あたりの期待値に誤差があるので、ケリー基準以上に賭けてしまうオーバートレードになる危険性がある。
という理由から、ケリー基準の半分だけ賭ける"半分ケリー"が人気があるそうです。

上記の例はギャンブルの例でしたが、投資も不確定な未来に対してお金を賭けているという面ではギャンブルと数学的には同じなので、生き残る投資家になるためにケリー基準は有効でしょう
posted by ガーベージコレクター at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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