2009年05月17日

期待値が同じ賭けとケリー基準

ハムハムセブンさんのブログ「3人のトレーダー 」の記事のコメントを読んでいて、期待値が同じ場合のケリー基準の考え方で自分が勘違いしていた部分があったので、そのことについて書いてみます。

上記で秋山さんが出されていた例は、期待値とプロフィットファクターが同じ3つの賭け
A.勝ちトレード3.6万円×5回、負けトレード1.8万円×5回
B.勝ちトレード18万円×1回、負けトレード1万円×9回
C.勝ちトレード2万円×9回、負けトレード9万円×1回
複利運用をしたときにどうなるかというものでした。
Aは勝率半々、Bは損小利大、Cは利小損大の代表ですね。
元の例では資金が50万円としていましたが、ここでは計算しやすいように資金100万円で考えてみます

この例についてケリー基準のfを3つの賭けについて求めると、
A.((3.6/1.8+1)*0.5-1)/(3.6/1.8)=0.25
B.((18/1+1)*0.1-1)/(18/1)=0.05
C.((2/9+1)*0.9-1)/(2/9)=0.45
となります。(ケリー基準については過去記事「生き残る投資にはケリー基準が有効」や「ケリー基準の復習」を参照)
そうすると、資金100万円としたときのケリー基準による最適な1回当たりの掛け金は、A.25万円、B.5万円、C.45万円となります。
この金額と元の例の負けトレードの損失の比率を考えると、A.13.89倍、B.5倍、C.5倍となり、Aが最もオーバートレードになりにくく優れていることが分かります。

具体的にA,B,C共にケリー基準の範囲内になるように、元の5倍で10回賭けた後の増加率を計算すると、
A.((100+3.6*5)/100)^5*((100-1.8*5)/100)^5=1.428
B.((100+18*5)/100)^1*((100-1*5)/100)^9=1.197
C.((100+2*5)/100)^9*((100-9*5)/100)^1=1.297
となり、A,B,C全て増加し、A>C>Bの順になります。
要するに、オーバートレードにならない範囲内だと、勝率半々>利小損大>損小利大の順で優れている訳ですね。

次に、Aはケリー基準の範囲内だけど、B,Cはオーバトレードになるように、元の10倍で10回賭けた後の増加率を計算すると、
A.((100+3.6*10)/100)^5*((100-1.8*10)/100)^5=1.725
B.((100+18*10)/100)^1*((100-1*10)/100)^9=1.085
C.((100+2*10)/100)^9*((100-9*10)/100)^1=0.516
となり、Aはさらに増加、Bは増加率が減少、Cは期待利益率がプラスの賭けをしているのに資産が減ってしまい、A>B>Cの順になりました。
要するに、勝率半々はオーバートレードになりにくいので最も優れており、利小損大はオーバートレードになったときのペナルティが大きく、損小利大はその中間という感じですね。

さらに極端にA、B、Cの全部がオーバトレードになるように、元の50倍で10回賭けた後の増加率を計算すると、
A.((100+3.6*50)/100)^5*((100-1.8*50)/100)^5=0.0017
B.((100+18*50)/100)^1*((100-1*50)/100)^9=0.0195
C.((100+2*50)/100)^9*((100-9*50)/100)^1=退場
となり、期待利益率がプラスの賭けをしているのにAもBも資産が減り、Cは退場になってしまい、B>A>Cの順になってしまいました。(もっと極端にして、56倍以上賭けるとAも退場になってBしか生き残れません。)
要するに、極端なオーバートレードをした場合は損小利大が最も退場しにくいということですね。
ただし、これは極端なオーバートレードをした場合であって、損小利大の方が退場し難いけれども先にオーバートレードになるので、通常は勝率半々の方が優れているでしょう。(私が勘違いしていたのはこの部分で、退場し難い損小利大の方がオーバートレードになりにくいのかと思っていました。)

ということで、期待値が同じ賭けでは勝率半々が優れているというお話でした。
posted by ガーベージコレクター at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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