2009年07月20日

NHKスペシャル「マネー資本主義」の金融工学

昨日(2009/7/19)、NHKスペシャルの「マネー資本主義」の金融工学の回を見ました。
ちょっと期待して見てみたのですが、一般の人の金融工学に対する誤解を助長しそうな表現があって、少々残念ですね。

どの部分かというと、金融工学を原爆開発に例えて、科学者が生んだモンスターと表現しているところ。
私にはとても違和感があります

私の感覚では、金融工学を例えるならコンピュータですね。
単にある条件を入れると正確に計算してくれる道具
正しい入力を入れれば正しい結果が得られるし、間違った入力を入れれば間違った結果が得られるだけのもの。

今回の金融危機は、別に金融工学がモンスターなわけではなくて、今まで住宅価格が上がり続けていたから今後も上がり続けるという間違った前提で金融工学を用いて計算したから、間違った結果が得られただけで金融工学のせいではないでしょう。

例えば、マンションの構造計算でコンピュータを用いて強度計算をするときに、ある地域で最近100年間震度6強以上の地震が起きていないからといって震度6までの強度で計算して、震度7の地震が来てそのマンションが倒壊したとしてもそれはコンピュータのせいではなくて、入力した前提条件が間違っていただけですよね。
昔はコンピュータは魔法の箱だと思われていて、このマンションの強度はコンピュータで計算したので絶対に壊れませんと言われたら、それを信じてしまう人の方が大多数でしたが、今ならコンピュータなんてただの道具だとみんな知っているので、コンピュータで計算したという理由だけで壊れませんと言われてもそんなの信じませんよね。(昔はそんな宣伝文句が沢山ありました。)

要するに今回の金融危機は、金融工学が魔法の方法だと勘違いしてる人たちが、金融工学で計算したからこの金融商品のリスクは非常に低いですという宣伝文句を真に受けて、自分が取れるリスク以上の金融商品をかかえてしまったのが原因でしょう。
上のマンションの例で言えば悪いのはコンピュータではなくて世間の無知を利用して間違った宣伝をした販売業者であり、金融危機の例で言えば悪いのは金融工学ではなく世間の無知を利用して間違った宣伝をして金融商品を売りまくった投資銀行や証券会社でしょう。

ということで、金融工学がモンスターで危ないという誤解を一般に人に与えることは、コンピュータはモンスターで危ないと言っているのと同程度に的外れなのでやめて欲しいものです。
それよりも、コンピュータに対する正しい認識が広まったことでコンピュータが魔法の箱であるかのような誤解が消滅したように、金融工学に対する正しい認識を広めることで、金融工学は魔法の方法でどんどんお金が儲かるとか、逆にモンスターのように危険なものだとかの間違った認識を無くしていって欲しいですね。
posted by ガーベージコレクター at 20:04| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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