2009年04月25日

オプションとケリー基準は相性が良い

オプションは世間一般では危険なものと思っている人が多いようですが、私としてはオプションの方がリスク管理がしやすいと思うんですけどね。

例えば、今日経平均が10,000円だったとして、日経平均の予測が90%当たる相場の天才で所持金が1,000万円の人がいたとしましょう。その人が「ケリー基準の復習」の記事で書いた教訓のB、
B いくら期待利益率が高くても1回で退場する危険性のある賭けはしてはいけない
を守って日経平均先物をトレードしようとすると、日経平均先物を1枚ロング(=買い)した場合の最大損失は日経平均が0円になった場合に1,000万円なので1枚しかポジションを取れません
さらに日経平均先物を1枚ショート(=売り)する場合は、最大損失に上限は無いので1枚たりともポジションを持つことはできません
要するに、ケリー基準をまじめに守ろうとするといくら予測能力が高くても現物買い以上のことはできないわけですね。

ここでオプションを利用してみましょう。
日経平均先物1枚ロングにつき権利行使価格が5,000円のプットを1枚買えば最大損失は500万円に減るので2枚ロングできるようになります
日経平均先物1枚ショートにつき権利行使価格が15,000円のコールを1枚買えばこちらも最大損失は500万円に限定されるので、今まで1枚もショートできなかったのが、めでたく2枚ショートできるようになります
権利行使価格5,000円のプットや15,000円のコールのプレミアムは1円(金額としは1,000円)なので、オプションを使えば誤差みたいな保険料でケリー基準を守ってポジションを持てるようになる訳ですね。
もちろん、オプションの権利行使価格の幅をもっと狭めていけばさらに多くのポジションも持ているようになるわけですが、その分オプションのプレミアムも高くなって保険料が嵩むので、それでも儲かるかどうかは相場の予測能力との兼ね合いになってきます。(予測能力が十分高ければ保険料を沢山払ってもレバレッジを上げた方が利益が増えるが、予測能力が低いと保険料が増えすぎて保険貧乏になる危険性がある。)

他にも、権利行使価格が異なるオプションの売りと買いが同枚数のポジションを作れば、損失限定のポジションを簡単に作ることができます

というわけで、オプションを使うと損失限定のポジションが簡単に作れるので、オプションが無い場合に比べてリスク管理がとてもやりやすくなる訳ですね。(屑OPでもよいから売り枚数より買い枚数が多くなるようにしておけば一応損失限定。)

ついでに、「¥∞」の「ケリー基準」の「問題点」には、
● 相場では正確な確率分布を知る術はない。
という問題点が書いてありましたが、オプションの場合はオプション価格を決めるのにそもそも原資産価格変動の確率分布仮定しているんですよね。
なので、オプション屋さんにとっては確率分布を考えることに抵抗は無いですね。
それから、
● 現実の世界では、賭け金(or 株数)に端数は認められていない。
というのもありましたが、ケリー基準はオーバートレードの上限なのでわざわざピッタリにする必要は無く、現実にはケリー基準で決まる量よりも少ない分量でトレードしていれば問題無いですね。(「天才数学者はこう賭ける―誰も語らなかった株とギャンブルの話」ではケリー基準の半分位の方がドローダウンが少なくて好まれると書いてありましたし。)

ということで、ケリー基準を守ってリスク管理するにはオプションを使った方がやりやすいというお話でした。
posted by ガーベージコレクター at 19:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 個人的意見 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月19日

ケリー基準の復習

生き残り投資にケリー基準は非常に重要だと思うので、もう一度まとめてみましょう。

ケリー基準とは、所持金に対して賭け金をどの位の割合にするのがよいかについての基準です。
以前に「生き残る投資にはケリー基準が有効」で書いたように、期待利益率がプラスの有利な賭けであっても、1回に多く賭け過ぎると退場の危険性が高まるからですね。
要するに、資産が有限である場合の最適な賭け金は、全力(退場の危険性が高い)と0(全く儲からない)の間にあって、それを具体的に求める基準がケリー基準な訳です。

具体的な計算式は、
1回の賭け金=所持金×期待利益率÷増加率
となります。
下記の参考文献や参考HPでは、期待利益率が期待値、増加率が倍率として上記の式が書かれていますが、日本で一般に使われている期待値と倍率の意味からすると意味が違ってきてしまうので、期待利益率と増加率という言葉を使った方が誤解が少ないでしょう。
日本で一般に使われている期待値と倍率の意味で上記の式を書けば、
1回の賭け金=所持金×(1円あたりの期待値 − 1)÷(倍率 − 1)
となりますね。(以前に書いた「生き残る投資にはケリー基準が有効」ではこっちで書いておきました。)

私がケリー基準を初めて知ったのはこの本、


でした。(お話部分が多いのでケリー基準だけを知りたい人には下記の参考HPの方がいいかも。でも、お話もブラックジャックのカウンティングの話とか結構面白いですが。)

あと、「¥∞」というHPの中の「ケリー基準」にとても詳しい説明があります。
これも一読の価値がありますね。
上記のHPの中の例では、現物株を主体に考えていて退場するほどのレバレッジがかからないので、そんなにありがたみは無いかもしれませんが、先物やオプションやFXなど高レバレッジが可能な投資ではケリー基準は非常に重要でしょう。、

ケリー基準から得られる重要な教訓は、
@ 期待利益率によって賭け金を変える必要がある
A 期待利益率が同じでも最大損失が大きければ賭け金を下げる必要がある←これは私の勘違い。正しくは、期待値とプロフィットファクターが同じ場合、損小利大や利小損大よりも損益のバランスが良い方が優れている(ハムハムセブンさんのブログの「3人のトレーダー 」の記事を参照)
B いくら期待利益率が高くても1回で退場する危険性のある賭けはしてはいけない
ということですね。

ちなみに、学校教育では期待値までは教えていて、期待値が賭け金よりも高いならばなるべく多く賭けた方が儲かると教わるのですが、資金が有限の場合はこれをそのまま信じてもうまくいかないんですよね。(多数の退場者と少数の勝者になってしまう。)
貯蓄から投資へというならば、ケリー基準は義務教育で教えておくべきでしょう。(投資の失敗で退場者を増やさないために。)
posted by ガーベージコレクター at 11:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月12日

成行注文と流動性リスク

一部のオプショナーの間で、2009/4/10の夕場引けの5P8500の75円売り気配のことが話題になっていますね。(本来の価格の半値位の売り気配で、もしも約定していたら売った人は大損だったはず。)
まあ、これはきっと誤発注なんでしょう。

オプションは板が薄いことが結構あるので、成り行き注文は慎重にしないと危ないですね。
成り行きだと、100円位のつもりで成り売りして1円約定とか、10円位のつもりで成り買いして1,000円約定とかしても文句は言えません。
夕場とか期先とかは板が薄いことが多いので成り行き注文はしたくないですね。
私がオプションで成り行き注文を出すのは、板の厚い寄り位かな。

それからこの話、自分は成り行き注文はしないから関係ないやと思っている人もいるかもしれませんが、実はそういう人にも影響がある場合があるんですよね。
どういうことかというと、大引けのときに変な終値が付くとSPAN証拠金が大きく変動するということ。
以前に「SPAN証拠金の不思議」のコメントに書いたように、どうもSAPN証拠金は理論的におかしな値段でも付いた値段を基に計算してしまうようなので。
そのため、買玉に不当に安い値段が付いたり、売玉に不当に高い値段が付いたりすると、証拠金が激増したりします。

例えば「AC杯ファンドダービー2009」の「ポポフリャー」のように、ロングバタフライは理論的に最初に支払った額以上の損失はあり得ないので証拠金もほとんど変化しないはずと、証拠金いっぱいまで大量に建てているときに上記のようなことが起こると、とても用意しきれない証拠金を請求されるかも。
今の証券会社のルールだと、証拠金不足の場合は証拠金が足りるまで入金するか、ポジションを全部閉じるしか許されないので、そうなってしまったら、今閉じると不利でも全ポジションを閉じないといけなくなります。
流動性の低いところにポジションを作る時は、他人の誤発注のトバッチリで自分の証拠金が足りなくなるなんてことにまで気を付けないといけない訳ですね。

ということで、成り行き注文の話でも証拠金の話でも、流動性リスクには十分注意してトレードしましょうというお話でした。
posted by ガーベージコレクター at 21:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月05日

予め決めた利確、損切ポイントを守る

先週は、予め決めた利確ポイントを守らなくて失敗した。

含み損から含み益になってそこで利確するはずが、欲張ってもう少し引っ張ったら利益が増えそうと、予め決めた通りに利確しなかったせいで再び含み損に。

欲に負けて予定変更をするとあまり良い結果になりませんね。
まあ、予め予定を考えているときの方が冷静で、場中の判断はその場の雰囲気に影響されて感情的になっているのが原因な訳ですが。

今回は、利確の失敗ですが、損切りでも同じことですよね。
予め決めた損切ポイントに来たのに、もう少し引っ張ったら損が減るんじゃないかと損切りを躊躇するとさらに損が拡大することが多いです。

ということで今日の教訓は、「予め決めた利確、損切ポイントを守る」でした。
posted by ガーベージコレクター at 16:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の教訓 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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